国際建造物保全技術協会にて制作・発行しております技術資料や技術論文から、技術コラムとしてご紹介させていただいております。

これからの資本整備、維持管理の在り方

2013.07.31

  •  戦後、わが国の高度経済成長を支えてきたのは公共事業を中心とした社会インフラの整備である。しかし近年では、高度成長から低成長へと時代の流れが大きく変化する中で、公共事業による社会インフラ整備に対しても、その期待と役割が変化している。我が国の現状は、膨大な社会インフラのストックを保有しているが、社会インフラ整備を支えてきた公共事業の財源は、国や地方自治体が抱える膨大な財政赤字が依然として増大する中で、今後一層厳しい制約を受けざるを得ない状況になっている。このような時代の変化の中で、公共事業に携わる関係者も、従来の公共事業のやり方を抜本的に変革せざるを得ない状況に置かれている。

     厳しい財源制約の下で、国民の信頼を得ながら真に必要な公共事業を進めていくためには、従来の建設中心の事業の進め方から、今ある資産(ストック)を限られた財源の下で最大限に活かしつつ、社会インフラによる公共サービスを国民のより高い満足、評価が受けられるよう適切な形で提供することが必要な時代になってきたと考えられる。つまり「つくる時代」から「つかう時代」に変わらざるを得なくなったと言える。

     今後の社会資本の高齢化に適切に対応していくには、つくったものを長持ちさせて大事に使う「ストック型社会」への転換を推進していく必要がある。 

     構造物の維持管理においては、これまでは損傷等に対して個別・事後的に対処してきたが、高齢化による損傷リスクが急速に増大する将来においては、施設の状態を定期的に点検・診断し、致命的欠陥が発現する前に対策を講じることにより、事故や災害を未然に防ぐとともに、施設の長寿命化により長期的に見た場合のトータルコスト(ライフサイクルコスト)の縮減を図る「予防保全」の考えに立った戦略的維持管理が必要となる。

国際建造物保全技術協会について

国際建造物保全技術資格制度